その娘は後輩のクセに、挑戦的だった。

女子ボクシング部の部員が男子ボクシング部の僕に挑戦?確かに女性も強いかもしれないが、何となく雰囲気が違う。

僕が居残りで人のいないボクシング部の掃除をしていると、彼女から話し掛けて来たのだ。

「阿部先輩?」まずタメ口だ。僕は彼女の事は知っていた。僕より一つ学年が下の一年生、ユッコと呼ばれている女子だ。

 黒くてしなやかなロングヘアー。常に挑発的な雰囲気の目、ぎゅっと引き締まった顔に口。だがそれよりもバストが

いくつあるのか分からないが、かなり大きい。顔より先に目がそちらへ行ってしまう。

「試合、したいな。阿部先輩と」

「え?僕と?」

僕ははっきり言って部活の中では弱い。ボクシングの勉強にならないと思った。

「断ろうとした?」ユッコが僕の心を見透かしたように言って、軽く鼻で笑った。少しなら相手をして良いかもしれない。

ユッコが強いなら僕の勉強になる。

 「いいよ、少しだけね」僕はワザとぶっきらぼうに言ったが、ユッコの眼光に少し気持ちが萎縮してしまう。

「そう、ありがと。嬉しい」ユッコは大して喜んではいないようだが、とりあえずは軽い笑顔だ。

ユッコはブルマに体操服姿に着替えてしまっていたが、そのままの格好でやるとの事。僕も上下はジャージに着替えてしまっている。

まあ軽くスパーだ。軽く。

 「はい、カーン」ユッコがゴングを口で鳴らした。とりあえず怪我をさせてはいけない。女性なのだから。僕は身長に・・・・・・。

と思っているとジャブが飛んできて僕の顔をガンガンと揺らす。本気なのか?

全く手が出ない。フックがとどめとなり、僕は腰から落ちる。

「本当だ、阿部先輩、弱いね」ユッコが笑った。口からマウスピースが見える。

「どうやったら強くなるのかな〜」ユッコがぶらぶらリングの上を歩き回っている。

僕はというと、悔しいどころか、当然の結果になったと思っていた。

立ち上がっては倒され、立ち上がっては倒され、僕はダメージの蓄積でなかなか立てなくなってしまった。

 

「体操服って蒸れて蒸れてしょうがなくて・・・・・・」ユッコが急に妙な事を言い始めた。

「ずっと着てたの?」僕は妙な言場を返してしまった。

「ずっと着てたよ」

そりゃそうだ、僕とスパーをしている間、ずっと着ていたのだから。

まあパンチを散々食らって、目に痣を作り、鼻血を垂らしている僕ほど疲れてはいないだろうけど。

 

「じゃあこうしようか」

その後は目を疑った。ユッコが体操服を脱ぎ出したのだ。そしてブラジャーまでも!

「はい」

ユッコが体操服とブラジャーを僕に投げつけて来た。

「はい。と言われましても・・・・・・」僕は当然の如く戸惑った。だが同時に心臓もドクドクと強く脈打っている。

とりあえず混乱した頭で、僕はユッコの体操服をたたんだ。汗臭かった。脇の匂いも混じっているのか、フェロモンの匂いなのか

物凄く興奮する匂いだった。

そして気がつく。ブラジャーはどうやって畳むんだ?僕はブラジャーを手に持って悩む。

 そういえば、ユッコがブラジャーを外したとたん、バストが一回り大きくなった気がした。そしてプリンのように柔らかく揺れたのを思い出す。

精神衛生上良くない。とりあえずブラジャーを置いて立ってと・・・・・・。

「立ってるんでしょ?」

痛いところを突かれた。勿論僕のペニスは立っている。

「じゃあ、どうせ立ってるなら見せたら?」

何という理屈だ。僕はどうしていいか分からなくなったが、RPGのキャラクターのようにどう答えても「見せたら?」しかいわれないような気がする。

僕は観念してトランクスごとジャージを脱いだ。

ぺろんと勃起したペニスが姿を現す。

「うわっ、大きっ!」ユッコが驚いた顔をして頬を少し紅く染めた。

「噂通りだったんだ」ユッコのその言場に、僕はどういう事なのか想像がついた。

男子の間で、僕のペニスが大きいのは噂で広まっている。その噂を聞いて、ユッコは見たかっただけなんだ。

「はい、噂通りの股間です」僕は急いでジャージを履こうとした。

「じゃあ私が見せる番かな?」

「え?」僕は再度、思考が停止した。多分、変な顔をしていたのだろう。ユッコにフックを食らってしまった。

鼻血がブッとリングの上に散らばる。

「見せるって言ってるでしょ!とぼけてる場合じゃないのよ!」

「はい・・・・・・」

冗談だと思ったのに、ユッコはブルマに手をかけた。

(まさか犯されはしないだろう)僕はそう思ってフッと笑った。

「何笑ってるのよ!」

殴られた。鼻血は止まりそうにない。