「じゃあそこでボクシングの試合姿に着替えろ」

将太の言葉に、エコは首縦に振る。

そしてトランクスと赤いグローブ姿にコスチュームチェンジをした。もちろん

純白のマウスピースを口にはめている。

「将太様、ボク嬉しいんです。ボクシングするだけで喜んで頂けて・・・」

「しかし女声で胸が出てるってのが男っぽくないよな」将太が言うと、

「ボクは女の子です・・・」と、少し泣きそうになりながら呟いた。

「ちょっと質問が悪かったかな、俺、あんまりデリカシー無いし」

「いえ・・・いいんです将太様」

 

二人がリングの上にあがる。将太は軽いスパーリングで汗を流すのが好きだと

言っていた。

そしてエコ意外のメイドを全員部屋から追い出した。

 

「よし、行くぞ!」将太が言うと、エコも「はい!」と返事をしてスパーリングが始まった。

「お前を拾った日を急に思い出しちまった」将太が軽くパンチを打ちながら言う。

「身寄りもお金もなかったんで、今でも感謝しています」パンチをガードしながら

エコはそう返した。

 

「なかなかやるな、いい汗かけそうだ」将太は軽く笑みを浮かべる」

「ほほほ、本当ですか?」

「ああ。点数稼ぎに来て良かったな」

「そんな・・・そんなつもりで来たんじゃないんです」

「いい子ぶるなよな」

「いえ・・・ボクはいい子じゃありません」

エコがそう言うと、強めのフックがエコの頬にヒットした。

ズダン!と倒れ、急に強いパンチを打たれた事に、エコは戸惑った顔をしている。

「嘘つくんじゃねえ、ここでクビになりたくないから、俺に近づいたんだろうが!」

「ボクは本当に将太様が喜んでくれるのが嬉しいだけです・・・」

「じゃあ本気で10発のフックを食らっても、泣き言を言わずにそのままスパーリングを続けられたら

ちょっとは信じてやる」

「わかりました、将太様」

「それじゃあ行くぞ」

1、2、1、2、1、2というふうに左右交合にフックを強めに打つ。

エコはガードをしないまま、フックを暗い続けた。8発辺りで、エコの口からマウスピースが飛び出して

マットの上を転がった。

 そして全10発のフックを打ち終わると、エコは鼻血を出してフラフラしていた。

エコは足がガクガクして止まらず、倒れようとして将太にクリンチをした。

「・・・お前」

「10発耐えました、まだやれます!ハァ、ハァ」息が荒い。

「なんかお前、香りまで女の子の香りがするんだな」

「将太様は、とても男らしい香りがしますよ」

ようやく立てそうだと実感したので、エコは将太から離れる。

「将太様、まだやれます。信じてもらえましたか?」

「うん、まあ・・・な。そうだ、マウスピースを拾って咥えろよ。そのままじゃ危険だから」

「はい」エコは少しフラッとしながらも自分のマウスピースを拾い上げた。

「これを将太様が咥えたら関節キッスですね」エコはそう言って頬を紅く染めた。

「お前、ひょっとして俺が好きか?恋愛として」

「それはですね、えーと・・・えーと・・・」エコの頬が紅から赤くなった。

「別にどんな事言ってもクビにしたりしない、だから本音言ってみろ」

「言うのもおこがましいですが、好きです・・・大好きです・・・」

エコがそう言った瞬間、将太はエコの腕を掴んで引き寄せた。

 

「相思相愛だったんだな」

その将太の言場に、エコは固まってしまった。

「えとえと、ボクは本当は男でして」

「知ってる」

「ボクみたいな身分の者が・・・」

「黙れ、口を封じるぞ」

将太はエコを抱いて、キスをした。

10秒位経ってから、二人は唇を離した。

「え?夢ですか?ボクにこんな良い事が起こる分けないですよね?」

「混乱するな、お前を拾ってから、すぐに好きになった」

「ボクは・・・ボクは・・・あっ!」

「急いで隠さなくていいぞ、勃起したんだろう」

「し、してません!してません!」

明らかにトランクスを盛り上げるようにペニスが勃起しているのがすぐ分かる。

「見ないで下さい!見ないでッ!」エコは必死に手で股間を見られるのを防ぐ。

「お前が俺に点数かせぎで寄ってきているのかもしれないと、不安だった」

「今はどうなんですか?」

「お前がいう事を信じてもいいなって思った」

「将太様・・・嬉しいです」

「二人っきりの時はタメ口で、将太を呼び捨てしてくれ」

 

 

 

「わかったよっ将太!」

エコが幸せそうに笑った。

「じゃあ、寝室へ行こうか」

「え?・・・え?」

「俺が攻めで頼むよ」

「あ・・・うん。それで将太が気持ち良いならボクは喜んで」

「サンキューな」

「いいえ、こちらこそ」