俺の彼女は・・・そう、筋肉質だ。ただ、ハンパじゃない。

全身が筋肉とでも言うのだろうか。腹筋が見事に割れているのは勿論。後はボディービルダーの全身を想像してもらえばいい。

しかし、何故かロリ顔。笑顔は素晴らしく良い。気も優しいので何も問題なく付き合っている。

 

 そんなベストカップルがグローブを付けてこの高校のボクシング部に夜間忍び込んで試合をするにはワケがある。

まあ、俺がボクシング体験系の風俗から出てくるのを見られて「私が代わりになるからもうそこへは行かないで」と

泣きながら言われ、試合をする事になったのだ。

 

 「悠樹、準備出来たよ」と、更衣室から出てきた直美を見て、つくづくスゴイ筋肉だなぁと感心してしまった。

お互いにその辺にあった紅いグローブをつけ、自前のトランクス、そしてトップレスで試合をする事になった。

「ど、どうかな、おっぱい丸出しだけど、前より筋肉ついたかな」直美は恥ずかしそうに笑いながら俺に聞いてきた。

「ああ、俺なんか一発で粉砕されそうな筋肉だな、前より凄いんじゃないか?」と答えると嬉しそうに笑っていた。

 

 直美は「らXすた」の「つXさ」のようなキャラだ。顔も含めて。

ちょっと怒るとヘコむし、かなりのドジだ。何も無い所でいきなりこける時が多々あり、視界から直美が突然消えて驚いたものだ。

 

 「えーと、じゃあ俺が行ってた風俗のプレイ通りにするとだな」

「うんうん!」直美が真剣に聞いてくる。

「直美、お前はパンチ出しちゃダメ、俺だけが殴るの」

「わかった!」直美は敬礼のポーズをとって笑顔を見せた。どうせこの筋肉じゃあいくら殴っても平気だろう。

「よし、こーい!」直美が言ったので俺は遠慮なく突っ込んでいった。

まずはボディ。大体ズンと響くような感触があるのだが、パン!と皮膚を叩くような音がして俺のグローブは弾かれた。

「力を抜いてもらえないかな?」俺は頼んだが、「ちょっとそれは怖いな・・・」と断られた。

ならしょうがない。そういう状態に持っていけば良いだけの話。

俺と直美は背が同じくらいなので、顔にも攻撃がしやすい。俺はジャブを数発打ってみた。

パンパンッ!とヒットして、「ひ〜」と直美は目を瞑った。この瞬間だ。ひるんで腹筋を入れていないハズ!

俺はボディに向かって思い切りパンチを繰り出した。ストレートではなく、下からえぐるように突き上げ、鳩尾あたりに

見事、パンチが突き刺さった。

「うっ!」と、直美がくぐもった声を出した。

「おうぇっ!」と直美が何かを吐き出すかのように舌を突き出し、えづくような表情をした。少し胃液が上がってきたのかもしれない。

「こういう仕事をする人も・・・大変だね・・・」苦しそうに直美が言う。ぶっちゃけ、俺は風俗プレイでここまで本気で殴ったことはない。

「殴り返しちゃうかも・・・」直美が呟いたので俺は少しドキッとした。だが俺はボクシング経験があるし、直美の筋肉だって

ボディービルダー系なので格闘用の筋肉では無い。

「よし、打って来い!」俺が言うと、直美が、遅いストレートを打って来る。

(やっぱり格闘技は苦手なんだな)俺は楽にクロスカウンターを狙う事が出来た。

ぐしゅっ!と直美の顔が歪み、マウスピースが少し顔を出した。

ちなみに俺の方はパンチを食らっていない。たやすく避けさせてもらった。

直美は口から出そうなマウスピースをグローブで押し込んで、歯にハメなおす。

その際に唾液がだらっと垂れ、糸を引いてマットの上に滴った。

「あ・・・よだれ・・・見ちゃダメ!」直美が顔を紅くして必死に訴えている。

だが俺はしっかりとその光景を堪能させてもらった。

「マウスピースって咥えてると、よだれが口に溜まっちゃうんだもん・・・」直美は言い訳をするように言う。

「そんなもんだよ」俺は適当に言葉を返した。

 

 隙を作っちゃあダメだ。直美の今の隙だらけのスタイルに、俺はパンチを打たずにはいられなかった。

腰をひねるようにレバーブローを打つ。とてもいい手ごたえだ。

直美はその状態で固まった。脳の中で苦しさと戦っているのだろう。俺の事は眼中にも無いようだ。

そして口から純白マウスピースを落とす。ねばっこい音を立ててバウンドしているそれを、

俺はすぐさまそれを拾った。理由は、マウスピースフェチだから。

「それ、汚いよ・・・私のよだれが付いてて・・・」

直美は初SEXでクンニする時も同じような台詞を言った覚えがある。まあいいか、今は関係ない話だ。

とにかく嗅いでやろう。うん。

「嗅がないでよ〜」今の俺は隙だらけなのに直美は何もしてこない。俺にマウスピースの匂いを嗅がれて

ひたすら「恥ずかしい」という言葉がびっしり脳内に詰まっているからだろう。

俺が散々匂いを堪能していると、直美はボソッと言った。

「やっぱり臭いのかな・・・」

「うん、臭い」俺は即答。

「そうか・・・やっぱり臭いんだね・・・」直美がショックを受けているようだ。

「でも興奮する匂いだ、鼻の奥をツンと刺激するような匂いだけど、大好きな匂いだよ」

「ほ・・・本当?」直美は少し恥ずかしそうな顔をして言った。

「本当だよ」

直美はしばらくモジモジしていた。何か言いたいことがあるらしい。

「あの・・・ね?」

「ん?」

「あしたのジョーで、マウスピース吐き出すでしょ?」

「ああ、そうだな」

「小さい頃、そのシーンでオナニーしてた・・・」顔を真っ赤にして直美はカミングアウトをした。

「他人が吐き出すのが好きなの?」

「いや、吐き出して倒れるのが好き・・・私ってMなのかも・・・」

「俺はSかな?」

「でも、殴られっぱなしで吐き出すより、攻防戦の末に負けて、惨めったらしくマウスピースを吐いてダウンするのが好き」

「なるほどな、じゃあガチ勝負で行くか!」

「うん、でもその前に・・・」

「何だ?」

「おしっこ・・・漏れちゃう」

「今学校内を歩き回ると、警備員のおっちゃんに見つかるからなぁ・・・これにしたら?」

俺はバケツを探し出し、直美に渡した。勿論冗談で。

だが直美は「うん、ありがと」と言ってトランクスを下げてかがみ、放尿を始めた。

ちょろちょろ音がしていたと思うと、勢い良くシャーッという音に代わった。

「あの・・・音は聴かないで欲しいな・・・」

「無理言うな」

「だよね、へへ」直美が情けない顔で言った。

「じゃあ、トイレが終わったらガチでやるぞ!」俺が言うと

「じゃあ、私は悠樹をフルボッコにしちゃう!」そう言って直美は笑った。