美由紀と小百合が地下ボクシング養成学校にいた頃・・・・・・。

 

「お疲れ様!美由紀ちゃん」小百合はシャワーを浴び終わった美由紀にタオルを渡す。

「ありがと」試合が終わったばかりだが、美由紀は元気そうに笑顔で受け取った。

「それじゃ・・・」小百合はそそくさと去ろうとする。

「ちょっとちょっと!」美由紀が小百合に声をかけた。

「はい?何?」小百合はまさか止められるとは思っていなかったので、

何だろう?という表情で振り返る。

 

「一応、同期じゃん?何か話でもしようよ」

「お話?」」

「うん」

この学区のルールは

 

     試合をしてマウスピースを集めて、その数によって次の学年に上がる事が出来る。

     学費はかからない、その代わり選手として定期的に試合に出る事。(チケット代が入るので学校にお金をいれた事になる)

     マウスピースが0個になると退学扱い。

     マウスピースを取り合う試合を長期間怠ると、注意又は退学。

 

こういった内容だ。皆がお互いを餌にしようと、目をギラギラさせて、基本的に一人行動する人がほとんどだ。

小百合は美由紀と少し距離を置いて座った。美由紀は特に何も言わずに、うちわで自分を扇いでいた。

「あ・・・えーと、今日勝ててよかったね!」小百合は美由紀と目を向けずに言う。

「何とかね。まだ先は長いけど。小百合はどう?」

「えっと・・・マウスピースの残り少ないから退学させられちゃうかも」そう言って小百合は完全にうつむいた。

「そう・・・今こうして仲良くなれたのも縁だろうね、。だからマウスピースを少しわけてあげてもいいんだけど、もっと強くならなきゃ逆効果だからなぁ」

私のマウスピースを少しわけてあげてもいいんだけど、もっと強くならなきゃ逆効果だからなぁ」

「逆効果?」

「うん、強い人に当たってポロポロMPとられて、また今の状態になっちゃうしね、」

「実力が自分より下と思っている連中がハイエナのように襲ってくるよ。

美由紀のその言葉に、小百合は欲しいと思ってしまった。そしてすぐに、そのあさましい自分に嫌気がさす。

すぐにでもこの場から立ち去りたかった。

「何かさ、K先生っているじゃん、ボーイッシュな人」

「えと、うん、分かる」小百合もすぐに分かった。神出鬼没で、何を考えているか分からない教師。

それに、廊下ですれ違う時に、いきなりパンチを打たれたことがある。必死に避けたら、

「ふーん」

と嬉しそうな顔をして去って行った事もある。

 

「そのK先生、私と小百合について変な事言うんだよね」

「え?私と美由紀ちゃん?」

「そうそう」

小百合は少し考えてみるが、二人に共通する事柄は思い浮かばなかった。

「二人は将来、地下ボクシングの王者に立つ!って自信ありげに言ってた」

小百合は少し喜んだが、自分の中ではその言葉をほぼ否定している。

「美由紀ちゃんはそうかもしれないけど、私は・・・」

小百合はそう言うと、立ち上がった。

「ごめん、今日は部屋に帰るね」

精一杯の作り笑顔をして、小百合はその部屋を出た。

 

 噂をすれば何とやら。K教員が廊下を鼻歌まじりに歩いている。

小百合は人に気軽に話しかける事の出来ないので、軽く会釈をして通り過ぎようとした。

その瞬間、Kのパンチが斜め後ろから飛んできた。小百合は普通に避ける。

「へー!」K教員が一人で感心している。

「・・・何ですか?」小百合は初めて自分から話しかけてみた。

「今のパンチ、どうやって避けたん?」K教員は妙な事を言った。

「パンチが飛んで来るのが見えたからですよ、わざわざ殴られたく無いですから」

「ほとんど後ろから打ったのによく分かるなぁ」

「ただ何となく避けてるだけです」

「うーん、じゃあ話そうか」K教員は頭を掻きながら言った。

「何を話すんですか?」

「まあ単刀直入に言うと、ほとんどの新入生に闇討ちみたいにパンチしてるんだけど」

「はあ」

「美由紀とお前だけなんだよね、避ける事が出来たの」

「えっ?」

驚く小百合の肩をK教員がポンと叩いて、

「ま、頑張れ」と去って行った。

 

その晩、小百合はいつも寝る前に見る就職先探しの雑誌を読まずに寝た。

 

 

 翌日、小百合がのんびりと飲み物の自動販売機の近くにある椅子に座って炭酸飲料を飲んでいると、

美由紀が偶然通りかかった。

「お、小百合おはよ」美由紀は小百合の横に座った。

「おはよう・・・」小百合はボーッとしたように挨拶を返す。

「小百合は、次の試合いつ?」

「さあ・・・」

「やらなきゃ、チャンスが無くなるよ?」

「べつに・・・いいよ」

「おいおい、しっかりしないとこれから・・・」美由紀が言っている途中に小百合は割り込んだ。

「ほっといてよ」

瞬間、美由紀は小百合の胸倉を掴み、一発叩いた。

 

 

「気が済んだ?私は美由紀ちゃんと違うから」

美由紀はそう答えると、美由紀が掴んでいた左手を離した。

「裸になって見世物にされるのも、もう嫌だし、美由紀ちゃんみたいに自分が上位だからって

調子に乗って私を元気付けて来るの、もう嫌・・・・・・」

 

美由紀はため息をついて、その場に座り込んだ。

 

「じゃあ、今から先生に話してくる。この学校、私には似合わない」

小百合は椅子から立ち上がり、ゴミ箱に飲み終わった缶を入れると、まっすぐに職員室へ向かった。

 

美由紀はボーッと廊下から外の校庭を見ていた。

しばらくして、小百合が荷物を持って校庭を横切り、校門までトボトボ歩いている。

そして校門前で立ち止まる。動く気配が無い。

 

 

 美由紀は腰を上げて校門へ向かった。

 

 

「もう夏かぁ・・・暑いね」美由紀は校門の前で立ち止まっている小百合に後ろから話しかけた。

反応は無い。

しばらく待っていると

「ここから一歩踏み出せなくて・・・」小百合は肩を震わせている。

「もうあと一歩でこんな辛い所から逃げれるのに・・・」

後姿でも、小百合が泣くのをガマンしているのが、美由紀には分かった。

「ここに入る時に、やりぬくと決めた自分の心が震えて・・・」

 

「学校にもどろ?」美由紀は優しく言った。

 

 

 

職員室に小百合は向かった。

(多分許してはくれないだろう。でもこれで最後と分かっていても逃げない・・・)

職員室に入ると、K教員の元へ言った。

K教員は新聞を広げて読んでいた。

「あの・・・K先生・・・さっき出した退学届けなんですが・・・」

Kは無言で新聞を読んでいる。

「あの・・・」

声を再度かけると、Kは

「うるさいなぁ、100年くらい経ったら読んでやるからそれまでガマンしてろ」

と言った。小百合はしばらく呆然とした後、礼をして職員室から出た。

入れ替わるように美由紀が職員室に入っていった。

 

 

しばらくして校内放送が流れた。

【美由紀と小百合、試合会場まで来い】

K教員の声だった。

【えー、今から特別試合があるので、来れる生徒は集まれ】

美由紀が背を伸ばしながら職員室から出てきた。

小百合が半分固まった状態で立っている。

「どうした?試合組んだよ?今から試合しようと思ってさ。あんたと私」

 

 

(試合・・・・・・)

小百合は頭が真っ白のまま、時間が過ぎる。

 

気が付いたらリングの上に立っていた。

目の前には美由紀がいる。

「一応私の方が試合に数として勝ってるから、赤グローブの赤コーナーねシューズの色もいっしょ」

「あ・・・うん・・・何でトランクスは付けれないの?」青いグローブで小百合は股間を隠そうとする。

「いいじゃん、裸で」美由紀はあっさり言った。

美由紀のアンダーヘアについつい目が行ってしまう。小百合は恥ずかしくてたまらない。

「ルールは簡単、かたいっぽが試合続行不可な状態になったら試合終了!インターバル無し!」

(美由紀は何を考えてるの!?)

 

ゴングが鳴った。

「簡単。試合前には緊張して逃げたくなるけど、もう逃げれない所までいったら不安は消える」

美由紀はそう言うと突進して来た。

ゴッ!ガッ!ゴッ!と小百合の頭に音が響く。殴られているのだと分かった。

最後にガツッ!と音がした。小百合の顔面に美由紀の赤いグローブが食い込んでいる。

「覚悟を決めろッ!」美由紀の台詞とともに、小百合が仰向けに腰を落としてダウンした。

小百合はすぐに立ち上がった。とりあえずは続ける所まで続けてみようといった気持ちになる。

だが美由紀にパンチを打てなかった。自分と仲良くしてくれる人間を殴るには抵抗がある。

小百合は様子を見る軽いジャブを打つばかり。そのたびに美由紀は強烈に打ち返してくる。

「限界超えてでもやってみろッ!」一発打つごとに美由紀が吼えるように叫ぶ。

 

 容赦なく小百合にパンチを喰らい、小百合は何度もダウンした。

「それが限界!?」そしてフックを食らう。白いマウスピースが小百合の口から吐き出された。

きな臭い匂いがする。鼻血も出ているようだ。小百合は追い込まれた。

「一生そのままか!強くなって家に仕送りをするのが夢だって前言ってたよね!?」

ラッシュをしながら美由紀は吼え続ける。

美由紀はストレートを打ってくる。

「クッ・・・・・・!」

バン!

小百合のカウンターが美由紀にクリーンヒットした。美由紀はそのまま仰向けに倒れた。

小百合は自分の吐き出したマウスピースを口に入れると言った。

「今逃げたら、これから何をしても逃げる癖が付く・・・」

美由紀は少し嬉しそうな顔をしながら立ち上がる。

「ちょっと効いた、カウンターを打てたんだ・・・」

小百合は追撃に出る。強力では無いが、ガードをかいくぐって確実にパンチを当てる。

小百合の覇気がどんどん濃くなって行く。自分もどこまで行けるか分からないほど覚醒している気分がする。

美由紀は小百合の股間に下スレスレからのアッパーを打ち込む。

びちゃっ!と液体が散った。

「私も、その境地に達するまでがキツかった。でも本能を開放する事により、原始的に興奮する!」

そう言って美由紀は自分のグローブを見た。ネットリした愛駅が絡み付いている。

小百合の陰毛も濡れて、夏の暑さで甘酸っぱい匂いを漂わせている。

さすがに股間攻撃は位置的に強く叩き込めない部分なので、小百合にはあまりダメージが無い。

しかし自分の濡れ具合を感じて興奮状態に入っているようだ。

立場は逆転して、小百合が美由紀を攻めている。ガード不能なテクニカルなパンチを顔面に打ちまくられる。

美由紀は攻めにまわろうと思い、重いストレートを小百合に向けて打った。

グシャッと、血と唾液の交じり合った液体がリングの上にビチャビチャと散る。

小百合の二度目のカウンターだ。美由紀は力をありったけ込めたので自爆状態になってしまった。

半分白目になって美由紀が仰向けにダウンする。そして体をピクリと一瞬動かした後

ゲボッと音を立てて唾液と血まみれのマウスピースを吐き出した。

美由紀が大股を開いている為に、性器が丸見えだ。毛に覆われた性器は、興奮のせいでパックリ広がっている。

そして膣口からは白濁した液体がドロッと垂れている。普通異常に興奮した時に出る本気汁だ。

小百合より強い匂いがする。女性器特有の香りに、チーズの醗酵したような匂いと、汗の匂い。

そして美由紀の性器ははヒクヒクと動き、少し大きめのクリトリスがピクピクと上下に動いている。

小百合はまだ試合を続けたいと願った。普段露出しない小百合の官能的な意識がメーターを振り切って

興奮が止まらない。

 

美由紀はゆっくりと立ち上がる。「本気だしたらスゴイね・・・」そう言いながら、自分のマウスピースを

口に咥えると、試合再開となった。

 

「うーん、やっぱ魅せる事が出来る選手だったな、小百合は」

K教員はリングサイドでそう呟いた。

 

美由紀は足腰がフラフラして、今打ち込まれれば必ずダウンしてしまうような状況だった。

思い切ってクリンチをする。二つの肉体が汗まみれで、官能的に蠢いている。

美由紀は小百合の汗の匂いと、愛駅の匂い、陰毛からも立ち上る熱気を帯びた匂いに浸る。

小百合はクリンチをされた事もした事も無かったので、密着するとここまで二人の匂いが濃く鼻腔を刺激する中で

さらに興奮している。行き着く先は何なのか知りたくなってくる。

クリンチが外されると、小百合は殴るようにパンチを打つ。美由紀が後退する度に踏み込んで打つ!

リングコーナーに追い込むと、フックを打ち込んだ。その威力で美由紀の体は回転して、体全体、乳房などに垂れている

汗を散らした。そこで小百合は、もう少しで更に上の何かが見えるような気がして、ダウンしそうな美由紀に

パンチを振り下ろす。

 

 美由紀は力を振り絞ってそのパンチを避けながら小百合のボディに一発叩こうとする。

美由紀のグローブは見事に小百合のボディにめり込んだ。

「ブホ・・・」小百合が美由紀に液体を散らせた。そして血と唾液にまみれたマウスピースをニュルッと口からはみ出るとなった。

美由紀は力を振り絞った。威力が無いのを承知で、小百合の顔面に打ち込む。

小百合は仰向けに吹き飛ばされてダウンした。美由紀は息を整えるようにゆっくりと呼吸している。

今度は小百合が股を開いて性器をパックリと開けている。そして性器全体がヒクヒク動いたかと思うと、放尿が始まった。

虹のようなアーチ型に、放尿は長く続いた。そして体を痙攣させるように動かした。柔らかい乳房もいっしょにぶるぶると動いた。

(イったな)美由紀は思った。

小百合はその後、必死に立ち上がろうとしている。強い精神力を会得したらしい。

 美由紀はそろそろ最後にしようと思っていた。余力を注げば、一発は強烈なパンチが打てる。

小百合は立ち上がった。そして少しキョロキョロして、美由紀が視界に入るとファイティングポーズをとった。

カウンターに気をつけて小百合にフィニッシュブローを打つ!

美由紀は妙な手ごたえを感じてよく見ると、突き出した赤いグローブが青いグローブにガードされている。

(計算外!)と美由紀が思った時にはもう終わりだった。

テクニカルなフックが美由紀の精神をえぐり取った。

マウスピースが場外へ飛び、リングサイドの床にベチャリと叩きつけられる音がした。

美由紀はそのまま仰向けにダウンをして、そのまま動かなかった。

定期的に、ビクッと体が揺れているのは、多分痙攣だ。

小百合がとうてい勝てないと思った相手が,二人のあらゆる液体の上で痙攣をしている。

小百合自信も信じられなかった。最初から勝てるとは思っていなかったからだ。きっとこれは夢ではないかと思う。

少し時間を置いて待ったが、美由紀の意識は途絶えたままだ。

「勝者、小百合!」リングサイドからK教員が叫んだ。

 

(やっぱり・・・私が勝った!?)最初は信じられなかったが、確かに自分の足元に美由紀がだらしなく転がっている。

「小百合、それが勝者の気持ちだ、覚えておけ!」K教員は叫ぶと、どこかへ去っていった。

そして小百合は美由紀を見る。

(勝者の・・・気持ち・・・。完全に強者は弱者のKO姿を見て、カタルシスを得ているのだろう)

(これが勝者の気持ちなのか・・・。美由紀はぼろ雑巾のように無様にリングのに倒れた者を見下す。気持ちが良い)

いつまでも美由紀は、不定期にピクン・・・ピクンと、痙攣をしている。

血の混ざった唾液、そして性器からは大量のねばついた液体が、美由紀の性器の膣から溢れ出ている。

試合に勝つ、そしてKOした、ぶざまな格好を見下す。何と快感何だろう。

 

 

2〜3日経った。偶然に美由紀と小百合は廊下で出会った。

腫らした顔で美由紀が言う。

「なんか話そうか」

「うん、話そうか。美由紀」

そう言って小百合は微笑んだ。